コイントスをした時、表が出る確率は
そう、50%です。
数学の問題では。
しかし、オランダのアムステルダム大学の研究によると、
『指ではじく際に上になっている面が出やすくなる』
という実験結果が得られたそうです。
その確率は50.8%
…誤差の範囲内?
いやいや、まあまあ、たとえ0.8%であっても
50.8%と49.2%では、倍の1.6%の差が出ます。
是が非でも勝ちたい場面では、
上面を選択してみる価値はありそうです。
きっとある。
しかし、だからと言って、数学のテストで
『上面が出る確率は50.8%』
と答えてはいけません。
なぜなら、問題文に
「同様に確からしいものとする」
と必ず書かれているからです。
この一文により、テストでのコイントスの問題は
「上面、下面関係なく、裏表が出る可能性は全て同じ」
ということになりますので、テストでの正答は50%です。
今回、机上の計算で50%でも、
実践してみると多少の誤差が出ました。
恐らく、空気の流れ、重力の影響など
様々な要因から生まれたのでしょう。
それでも誤差の範囲内。
机上の計算からは大きく異ならなかったのが特筆すべき点です。
数学ってホントに凄い。
それ以上に凄いのは、
実験を最後までやり切った人物だと個人的に思います。
学術雑誌に正式に掲載される前の論文を
保存・公開するサイトがあるようで
そのサイト「arXiv(アーカイブ)」によりますと、
アムステルダム大のバルトス氏主導の下、
実験はコインの跳ねや回転などの要素を排するために
親指ではじき上げ、手で受ける形で行われたのだとか。
48人が46種類の硬貨を用い、
350,757回のトスを行った実験結果だそうです。
バルトス氏は、
「実験は当初、友人に頼んで行っていたが、
次第に同僚や学生に協力の輪が広がった。」
「時には、馬鹿なことに挑戦するのも楽しい。」
と振り返ったそうです。
協力してくれる友人から、
同僚・学生を巻き込み
壮大な実験にしてしまう。
その求心力の高さは凄いと思います。
常日頃、信頼を得ておられ、
真面目とユーモアのバランスが取れている人柄だと推察します。
でないと、
「そんなバカなことに付き合ってられるか。」
と協力を仰ぐのは難しかったはずです。
「時には」と仰っているので、
変な研究ばかりしているのではなく、
普段は真面目な研究もしているのでしょう。
「あの人、何か面白いことやってるんだって?」
「そうそう、授業も分かり易くて面白いし、ちょっと手伝ってみない?」
「いいね。友達にも声かけてみようよ。」
なんていう会話があったかどうかは分かりませんが、
48人に協力を得られたことは尊敬に値します。
真面目さの中に一かけらのユーモアを。
緊張と緩和のバランスを。
そんな授業を展開し、安心と信頼の実績を積み重ねていきたい。
そんな風に考えさせられる記事でした。
最後まで御覧くださり誠にありがとうございます。