塾長ブログ

『作図問題』~受験に出にくいからってしなくてよい訳ではない~

春休みの宿題が、出る学校・出ない学校があります。
出る学校だからといって「損だ!」と考えるのではなく、
「提出物を出して成績を上げよう!」と考えて、
前向きに取り組んでいくよう指導しております。

ある生徒の春休みの数学の宿題で、
作図問題がありました。
で、まあ、生徒も疑問をぶつけてきます。

「作図問題ってやる意味あんの?」

よく耳にする「勉強って将来役に立つん?」系の疑問です。
確かに、公立高校入試に作図問題はほぼ出ておりません。
コンパスや定規、分度器などの持ち込みを指示されないからです。
関数のグラフを書く問題が出る時もありますが、
フリーハンドで解いても良いので定規は使いません。
ただ、今まで出なかったからといって、
次回以降も出ないとは言い切れません。
入試前に受検校から定規やコンパスを持って来るよう指示があった時は、
作図問題が出るものとして対策をしておきましょう。

さて、作図問題の存在意義ですが、
勿論『あります』。確実に『あります』。
『作図』というからには『実際に図を書く』訳です。
図を書くということは、出題された図の
『イメージ』が頭の中にないと解くのに苦労します。

【例題】
線分ABの垂直二等分線を作図せよ。

『とりあえずコンパス』の前に、
『垂直二等分線』をイメージ出来ましたでしょうか?
すぐにコンパスを手に取って作図出来る生徒は、
垂直二等分線の書き方を知っている生徒であり、
書き方を知っている生徒は
図のイメージがはっきりと頭の中で描けている生徒です。
例えば、線分ABのど真ん中を垂直に通る線
のイメージが頭の中に浮かんでいるはずです。
作図が苦手な生徒は、図のイメージが固まっていないことが多いです。
まず垂直二等分線や角の二等分線、円の接線など、
作図問題の模範解答の図が頭の中に思い浮かぶまで
図を描く練習をしてみましょう。
イメージが出来ている生徒は、イメージに合わせて
コンパスや定規をあてて作図出来るようになります。
この『イメージ出来る力』が、勉強に役立つのです。
言葉から図、図から言葉が繋がると理解度が跳ね上がります。
これは数学に限りません。
体言止め、係り結び、男女雇用機会均等法、変化の割合、
初期微動継続時間、現在進行形、三単現のSなどなど
イメージが頭に浮かびましたでしょうか?

係り結び→『ぞ、なむ、や、か、こそ』→文の中からこいつら探そう!

という具合に設問からイメージが浮かべば、
どう解いたらよいかが分かります。
作図問題は、イメージを「固める」練習に最適と言えます。
イメージが明確であればあるほど、正答率も上がります。
イメージしていたものが間違っていたら修正し、
曖昧なものは具体的なイメージになるよう練習し、
「あ、これアレのことやん」
を増やしていきましょう。
志塾でもイメージを大切にするよう指導しております。

最後まで御覧くださり誠にありがとうございます。