今回は、騙されてはいけないシリーズです。
世間では円安が進んでいるということで
「これは悪い円安です。」
とか言われているようです。
いやいや(笑)
円安に良いも悪いもあってたまるか(笑)
円安も円高も基本的には
「通貨の量」
で決まります。別に良いも悪いもなく、
通貨を多く発行すると円安になりやすく、
通貨の発行が少ないと円高になりやすくなるということです。
円の量が少ない→希少価値がつく→円を欲しがる人が増える→市場の円が更に少なくなる
のサイクルで円高です。
円安はその逆です。
勿論、その他の要因もありますが。
中学3年生では
円高=外国通貨に対して円の価値が高い
円安=外国通貨に対して円の価値が低い
と習います。ここで注意が必要なのは
「円の価値が下がるから円安は悪い」と早合点しないことです。
『外国通貨』は『その国の通貨』ということですので
ある国に対しては円高で、他の国に対しては円安とかもあり得ます。
各国の通貨量は異なるからです。
日本の円高・円安は、アメリカドルに対するものです。
よくテレビで「1ドル=~円で、昨日に比べて~円の円安」と言っているように。
よって、「円安は円の価値が下がっている。」は正確ではなく
「円安は、ドルに対して円の価値が下がっている。」が正解です。
なのに、世間では
「悪い円安によって景気が悪くなる」
となっているようです。
そもそも中3の社会で、円高・円安は景気を左右するとは習いません。
円高は輸入に有利、円安は輸出に有利 などですね。
せいぜい「貿易は景気に影響する」です。
景気に影響を与えるじゃないか!
まあまあ、よく考えてみましょう。
円安は輸入で損する!
ということは輸出では得するよね。
てだけの話です。
輸出も輸入もどっちも得!はありませんので
得する方に力を入れればいいだけの話です。
一方で株価に影響が出たりしますが、
そもそも、株は買い方・売り方で損をすることもあれば得することもあるので
株で損失が出る!
いやいや円安でも円高でも損する時は損するし、
得することもありますよ、てなもんです。
また、日本のGDPにおける貿易の割合は低く、
ほとんどが内需=国内消費です。
貿易よりも国内の産業に力を入れる方が、
景気を大きく左右することになる訳です。
では国内の景気を良くするためには?
A、インフレにする。 です。
これも中3で習います。
ちなみに、インフレには良いインフレと悪いインフレがあります。
悪いインフレはハイパーインフレ。
良いインフレは、年率2~4%のインフレと言われています。
ちなみにハイパーインフレは国際会計基準によると
三年間の累計で100%以上(年率26%前後)の物価上昇のことを言うそうです。
三年後に100円のものが200円になっていると。
バブル(年率1~3%前後)の時でもなかった状態(笑)
ということは、めったなことではハイパーインフレは起こらないということです。
それはさておき、景気を良くするためにインフレにしようとすると、
貨幣量を増やさないといけません。
貨幣量を増やすと…、円安になりやすくなりますね。
ということで、インフレと円安は同時に起こりやすくなります。
「インフレ=景気が良くなる」ことを知っていれば、
円安は必ずしも悪いものとは言えない、と考えることが出来るようになります。
ちなみに、インフレの逆のデフレには、良い・悪いはありません。
デフレになると必ず景気が悪くなるからです。
デフレはそれだけで『悪い』のです。
中学生の知識で円安・円高に、良いも悪いもないと分かるのに
なんで世間では悪い円安とか言ってるんだろう?
ちょっと考えてみました。
①悪い円安なので貨幣量を減らさないといけない。
貨幣量を減らすには…
中3で習います。すなわち増税。
おいおい勘弁してください。
また景気悪くなるじゃないですか…。
今、凄く景気が良いわけでもないのに…。
②悪い円安なので貨幣量を減らさないといけない。
貨幣量を減らすには…
これも中3で習います。すなわち金利の引き上げ。
やっぱり景気が悪くなります(苦笑)
どちらも私の考え過ぎだと良いのですが。
「テレビで言っているから」と鵜呑みにしてはいけないということです。
景気が悪い時に、増税やら金利の引き上げとかしてはいけないんです。
もし、テレビが『悪い円安』を理由に「増税も止むを得ない」
とか言い出したら
「増税は景気が良くなり過ぎてからやるものだって中学校で習ったでしょ!
円安だからってやるもんじゃないの!」
とツッコミを入れてあげてください。
…私の考え過ぎだと良いのですが(笑)
騙されないためにも、やっぱり勉強は必要なわけです。
日本の教育は、なんだかんだ言われていますが、
個人的には良いものであると思います。
志塾では
『学んだことを学んだままにしておかない。
学んだ知識は使いこなしてこそ。』
という指導を心掛けてまいります。
最後まで御覧くださり誠にありがとうございます。