塾長ブログ

『京都府公立高校前期選抜』~英語~

令和3年2月16日(火)・17(水)に京都府公立高校前期選抜入試がありました。
個人的な見解で誠に恐縮ではございますが、
16日に行われた共通問題の方を分析したいと思います。
今回は英語です。筆記もリスニングも去年度と同じ大問構成でした。
結論を先に申し上げますと、例年に比べて易しくなっていました。
これも数学同様仕方がない。コロナの影響で
『関係代名詞』を出題範囲から除外したことが原因と考えられます。
外すといっても『設問において関係代名詞に関することは問わない』
とありますので、設問中やリスニングの放送文に関係代名詞を
使おうと思えば使えたようですが、おそらく混乱を最小限に抑えるために
関係代名詞を外すことにしたのだと思います。
問題作成者の苦労が偲ばれます。本当にお疲れ様です。

大問① 会話作文
会話の流れを読み、空欄に英文を補充する問題。
会話文は続く大問②にも毎年出題されていますので、対策しやすい問題です。
が、対策しやすいというだけで、簡単かと言えばそうではありません。
どの教科にも言えることですが、作文の問題は難易度が上がります。
この問題では、会話の流れを理解し、適当な文を考え、英文に仕上げる
というプロセスが必要で、英文を仕上げる前の日本語で適当な文を考える段階で
難易度が上がっています。更に英作文では、適当な日本文が作れても、
語彙力がなければ英文に書き換えられません。自分の持っている単語の知識で
表現できる文を考えないといけないわけです。
有効な対策の1つとして連語の練習をおススメします。
問題の傾向的にも、連語を使うと解きやすいので、
単語+連語の練習で語彙力を付けておきましょう。
また、作文という性質上、他の問題と異なり、解答が複数個ありますので
英文を書き換える力があると尚万全になります。
ちなみに、連語の力は英検に必須なので、
英検を受検してきた生徒にとっては得点源になるでしょう。
英検を受検してこなかった方は、受験勉強を機に
高校進学後に受験することを考えてみてはいかがでしょうか。

大問② 会話文
頻出の道案内の文です。地図も参照にしながら解かないといけないので
本文を読みながら同時に地図にも書き込んでいきたいところです。
他の教科にも言えることですが、問題用紙に書き込むことは地味に重要です。
与えられた情報や、問題文から分かる情報を書き込んでいきましょう。
そうすることで、解法に気付きやすくなり正答率も上がります。
大問②の選択問題の選択分は全て英文で、一文も長めなので
文法力・対訳の力も求められています。
接続詞、不定詞、連語、間接疑問文などを意識して、
文に句切れを入れて訳していくやり方をおススメします。

大問③ スピーチの英長文
前期選抜入試の英語の問題では最もボリュームのある問題です。
昨年同様、並び変えや書き換え、
スピーチを聞いた2人の人物による感想文などが出題されました。
文法力、長文力の他に、大問①と同じく英作文力も必須です。
こちらも書き換えの問題を数多くこなして、
書き換えのパターンを増やしておきましょう。
例えば、平叙文を受動態で書き換えたり、
不定詞・動名詞・分詞を使ったりです。
個人的に最も難易度が高いと感じた問題は大問③(9)(C)の問題です。
スピーチを聞いた人物の会話から、スピーチの要点を読み取り、
本文の単語を使って英文を補完するという問題でした。
実質、長文を2つ読んで解かないといけない上に、
「本文中の単語」という条件もあります。
先に問題に目を通しておかないと、
もう一度問題文を読み直さないといけなくなり、
時間的にも解くのが難しくなります。
国語でも同じことが言えますが、先に問題に目を通しておくことで
時間のロスを抑えることが出来ますので、
来年度受験の生徒達は、先に問題から取り掛かる勉強を始めていきましょう。

大問④ リスニング 会話の内容を聞き取る
リスニングの台本を見ていただくとお分かりのように、
筆記問題の英文に比べると訳しやすい文です。
ということは、聞き取れさえすれば正解率が上がるということですので、
赤本や英検のリスニングCD(今はスマホでも聞けるようになってビックリです)
などで、何度も聞いておきましょう。初めは台本を見ながら聞いて、
次に音読しながら聞くとリスニングに慣れてきます。
英長文が苦手な生徒にとっては貴重な得点源です。
何度も放送を聞いて、リスニング問題満点を狙っていきたいところです。

大問⑤ リスニング スピーチ
単語数も昨年と同程度のスピーチ問題でした。
質問文も長く、連語が多用されていることもあり、
連語の対策はここでも有効です。

大問⑥ リスニング 会話の流れを読み取る
短い会話ですが、短い文だからこそ連語や構文で構成されています。
お店での会話や、道案内、電話での会話など、
割と型にはまっている文は、その文を丸ごと暗記してしまいましょう。
Can I help you? や May I speak to~? などですね。
頻出英文でもありますので、応用が効き、おススメです。

数学同様、問題文をよく読み、与えられている情報から
答えを導く所謂思考力を問う問題が増えてきました。
来年度は指導要領が改訂され、思考力強化の方向に学校教育が進むので
語彙力を中心に思考力を鍛える勉強を進めていきましょう。
また、学習指導要領の改訂により、
コミュニケーション能力の強化が重視されそうです。
一部の学校ではスピーキングテストも実施されています。
受験にもスピーキングテストが取り入れられるかは、
まだ分かりませんが、話す力は先々で必ず役に立ちますので
今から少しずつでも発音練習から始めていきたいところです。

最後まで御覧くださり誠にありがとうございます。