塾長ブログ

『自由すぎる自由研究』 ~これは… (笑)~

『宿題をさいごの日まで残しておいた時の家族と自分の反応(原文ママ)』

なかなかパンチの効いた研究の題名です。
最初に確認しておきますが、
この自由研究に果敢に挑戦した子は、
研究ノートの冒頭で

「この、研究を始めた理由は、毎年、宿題を十日ほどで終わらせていたけど、
今年は、さいごまで宿題を残してしまった場合、家族と自分の気持ちを
しらべてみたかったからです」

と真面目に、研究に取り組む理由を著わしています。
普段、宿題をやらない生徒には絶対に許されない自由研究。
真面目に頑張っている生徒だからこその説得力。
…説得力(笑)
「こんなふざけた研究しやがって!」とタイトルだけで判断することなかれ。
なかなかどうして、良い内容です。
気持ちの変化を見るために日記調で書かれた研究ノート。
夏休みの日付けとその日の出来事、それにまつわる自分の気持ちが書かれています。
気持ちの表現も

「きぶんはウキウキな気分で宿題のことは、まったく頭にない。」
「毎日がたのしすぎて宿題のことなどまったく頭にない。」
「100km徒歩の旅に出発。旅のかこく(過酷)さに宿題のことなどまったく頭にない。」
「次第に夏休みがおわるというきょうふがぼくの心にめばえ始めてきた。」
「もうげんかいだ。変な汗がとまらない。」

と、描写も詳しく、読み応えがあります。
日ごとに表現を変えているので、真面目に研究に取り組んでいることも伝わります。
本人は研究のためにあえて宿題に手を付けていませんでしたが、
なぜか弟も全く宿題に手を付けていないことに気付いたり、
もしかしたら、弟に夏休みの最後の日にどんな気持ちか尋ねたら
自分の宿題で試さなくても良かったのではないかと気付いたり、
恐怖と罪悪感が大きくなりすぎて「かこにもどりたい…」と弱音を吐露したり、
「生命は、なんのためにこの世にうまれてきたのか。なぜ人は争うのか。」
と現実逃避してみたりと、終盤にいくほど面白さは加速していきます。
タイトルに「家族と自分の反応」とありますので、
家族、更にはペットの反応も書かれています。
これもまた端的に書かれていて、その時の家庭の状況が頭に浮かぶ良い文章です。
そして、この研究がふざけて始めたものではない証拠に、
本人は、夏休みの宿題を夏休み最終日から始業式の朝にかけて終わらせています。
本当にエライ。
やるべきことをやってこその奇想天外な自由研究。
学校の先生もよくお分かりで、
「夏休みにたくさんの経験ができましたね」
というコメントとともに、研究ノートにキラキラシールも貼って
苦労を労っています。
私も先生と同じ想いです。
この生徒の思い付きと行動力と研究内容は賞賛に値します。
是非とも

『衝撃の自由研究!』

で検索して御覧になってみてください。一読の価値有りです。

最後まで御覧くださり誠にありがとうございます。