3月6日に公立中期選抜があり、志塾生達も頑張ってくれました。
3月16日の合格発表日に笑顔で報告に来てくれるのがとても楽しみです。
京都府公立高校の入試は、前期・中期・後期選抜があります。
後期選抜は3月16日の合格発表後に募集が始まりますので、
この記事では前期選抜と中期選抜の入試問題について述べたいと思います。
京都府公立高校前期選抜入試問題の出題傾向は、
3教科とも例年通りでした。
国語:大問3つの構成で、2つが現代文、1つが古文。
現代文は2つとも論理的文章で、トータルの難易度は例年並みでした。
が、個人的に、読解の選択肢と記述問題は、
難易度が高くなっていると感じました。
特に記述問題は、年々難易度が上がってきているように思います。
読解の選択肢の文章は、やや高めの語彙力と理解力が必要で、
記述問題は、更に文の構成力も求められており、
来年度も語彙力を付けて臨む必要があります。
その他、助詞・助動詞、動詞の活用といった文法問題や熟語の構成、
接続詞の選択問題などの頻出問題は今年も出題されたので、
来年度の受験生はしっかり復習しておきましょう。
古文は、漢文の知識を試される問題もあり、
幅広い知識を問われる出題傾向でした。
現代仮名遣いや会話部分の読み取り、主語の判別といった
基本事項を問われる問題もありましたので、
基本事項の徹底は来年度も有効です。
各大問毎に会話形式の設問がありますので、
表現力、作文力も日頃から意識して勉強していきましょう。
まずは全ての基本である語彙力=言葉の力から鍛えていきたいところです。
例えば、
『面会を断られて、彼は憮然とした表情を浮かべて立ち去った。』
という文を正しく読み取り、『彼』の気持ちを理解するとしましょう。
文中で難しそうな言葉は『憮然』です。
『憮然=ぶぜん』と読めるだけでは知識ではありません。
『憮然とは【失望してぼんやりとしている様子】』まで覚えてやっと知識です。
最近では、「ぶぜん」という言葉の響きから【腹を立てている様子】と
思っている人が多いそうですが、本来の意味とは異なります。
よって、この文章は
『面会を断られたので、彼はしょんぼりして帰っていった。』
と読み取ることになりますので、『彼』の気持ちは
「面会を断られたことを残念に思って落ち込んでいる」
となります。
更に、「憮然」をつかって短文を作る練習をしてみましょう。
まず、誰かが「憮然=しょんぼり」している場面を想像し、
何故しょんぼりしているのかの理由を考え、
文に合った言葉を揃えて、作文します。
例えば
「あの男の子は、お菓子を買ってもらえず、憮然としている。」
といった感じです。
言葉の力は、全ての教科の基礎となる非常に大事なものです。
「多分こんな意味」という言葉があったら、
今から調べて、正しい意味で覚えるようにしましょう。
数学:計算の小問集合、資料の整理、関数、平面・空間図形、規則性の構成。
解法の難易度はやや下がった反面、設問の読解の難易度が上がりました。
トータルで見れば難易度は若干上がり、個人的には良問が増えた印象です。
小問集合は、落ち着いて取り組めば解ける問題。
資料の整理は個別に大問で出題されただけあって、捻った問題が出題されました。
関数と平面図形の応用問題は、グラフと図形、円と平行線の線分比など、
知識を組み合わせると解法に気付く形式で、難易度高めの良問。
個人的に数学で最も難易度が高いと感じた問題は、空間図形の応用問題です。
切断面や底面の位置取り、真上から・真横から・ななめからの視点を駆使しないと
求めることが困難な問題もあり、解説作成にも力が入りました。
規則性は、規則を見つけること自体が難しい傾向から、
設問を読み解く力を求める傾向になりつつあります。
設問さえ正しく読み解けば、規則性自体はそこまで難しくないので、
数学といえども読解力は必要であることを示す良い問題でした。
数学も、読解力重視の問題が増えてきて、国語と同じく言葉の力が重要です。
また、数学では「いかに問題用紙を利用するか」で正答率が大きく変わります。
問題用紙に書かれているグラフや図形に、設問に沿って与えられた値を書き込むと
解法に気付くことが多くなります。
余白を利用して途中式を書けば、計算ミスを減らせます。
来年度も問題用紙の図と余白を最大限利用して、正答率を上げていきましょう。
英語:会話の英作文、会話文、長文、リスニングの構成。
筆記試験は、出題全てが長文であり、設問にも英文があるので
そもそも英文の読解力がないと太刀打ち出来ません。
単語力は必須として、連語にも積極的に取り組み、
英文中の動詞と主語を見抜く力も重点的に鍛えましょう。
連語を覚えることは、そのまま英検の勉強にもなりますので、
連語を沢山覚えられた生徒は、是非英検にも挑戦して欲しいと思います。
英文中の動詞を見抜く力は、それだけで文の要点が分かるようになるので、
読解力が格段に上がります。
英単語を覚える時は、動詞を優先して覚えるようにしましょう。
もっとも、根本的なこととして日本語が扱えていないと英語も扱えません。
『主語』はそもそも何を表すのか、『動詞』は日本語で何にあたるのか、
修飾語も副詞・形容詞はそれぞれ何を修飾しているのか、など。
英語も国語も意思疎通をするための勉強です。
意味不明な言葉や文にならないよう、
まずは日本語の理解を深めることから始めましょう。
そして、リスニングの出題傾向も例年通りで、
放送原稿の文字数が若干増えましたが難易度も例年並みです。
リスニングは言わずもがな、聞き取れるか否かが重要なので
英語のスピーチを効果的に聞いてきたかで得点が左右されます。
リスニングを制する者が英語を制しますので、
来年度もリスニング対策を抜かりなく行っていきたいところです。
今年度の前期選抜入試のまとめとして、
各教科とも読解力が重要視されていると思います。
生徒によって難しさの感じ方が違ったと思いますが、
設問を正しく読み解けばヒントにも気付くことが出来るので、
良い問題が多かったと思います。
また、前期選抜を受検することで、
自分に足りない所に気付ける所も大きいと思います。
前期選抜で残念な結果になろうとも、
中期選抜までに足りない所を補うことも出来ます。
来年度も、前期選抜と中期選抜の両方を受検する気持ちで
勉強することが有効であると思いました。
思いの外、前期選抜についてが長くなりましたので、
中期選抜入試については次回にしようと思います。
最後まで御覧くださり誠にありがとうございます。