塾長ブログ

『AIの進化で仕事がなくなる』 ~英語(中学3年生)の教科書にも載っていますが…ホントに~?~

ここ最近のAIの進化のスピードは驚異的なので、
このままではAIに仕事を奪われてしまうのではないかという問題。
中3英語(東京書籍)のUnit.5で、光太くんもロボットに脅威を感じています。

答えは、YESです。

が、安心してください。

『仕事が奪われる』=『就職できなくなる』わけではないんです。

これは、歴史がはっきりと証明しています。
18世紀半ばに起こった、蒸気機関を中心とした産業革命を思い出してください。
人力から機械生産に移り変わっていった産業界のビッグウェーブです。

産業革命でイギリスが「世界の工場」になった
世界各地で工業製品の生産力が向上した

などを習ったりしましたが、「失業者が増えた」とは習っていないはずです。
それもそのはず、『新しい仕事が出来た』からです。
そら当時の人も「機械で出来るなら、人間いらなくね?」って考えます。
でも、そこで思考停止をする訳ではないんです。
「じゃ、他になんか出来ね?」とつながっていくのです。
ここが人間の凄いところ。新しい仕事(無から有)を作っちゃうんですな。

商品は機械が作ってくれる。
じゃあ、売れる地域を探しに行こう。
じゃあ、原料の安い仕入先を調べてみよう。
じゃあ、販路を確保しておこう。
世界中に植民地増やしていく。
じゃあ、機械のメンテナンスが出来る技術者を雇おう。
じゃあ、機械の能率を上げられる人材を教育して作ろう。
機械をどんどん改良していく。

などなど。マーケティングや研究支援に力を入れる様に。
なので、産業革命では失業者の話題が出ません。
失業者が増えるのは不況の時くらいです。世界恐慌とか。

じゃあ、なんで「仕事がなくなる~」と問題視されるのか。
教科書に記載されていない歴史の背景を知らなかったから、ということと
おそらく、ぼんやりと「AIは何でもできるから」とイメージしているからではないでしょうか。

「AIに仕事を奪われる」と心配する人のAIのイメージは
多分、映画「ターミネーター」の『スカイネット』ではないかと思っています。
そう、あのある日突然知性に目覚めるコンピューターです。
で、知性を持った瞬間に「人間は地球に不要」と判断しちゃって、
世界中に核爆弾を発射しちゃうヤツですね。
全く、危険極まりない。
その「進化したら人類に危害を加える」というフィクションがトラウマになって
AIの進化に危機感を抱いているのではないでしょうか。

しかし、ご安心を。
現実のAIがある日突然知性を持つことは、ありません。
そもそもそんな機能自体が現在のAIには搭載されていません。
ので、AIに支配される未来は今のところ来ません。

じゃあ、AIってどんなことまで出来るのん?

→入力されたプログラム内のことしか出来ない

のが現在のAIです。何でも出来るわけではありません。
AIの特性は万能性ではなく演算能力です。
計算のスピードがめっちゃ速かったり、組み合わせのパターンを何万通りも一瞬で導き出したり、
その面では人間の能力を遥かに超えています。
でも、打ち込まれたプログラム以外は何もできない。
プログラムされたことでも、人間に命令されないと何もできないのもAIです。
自発的に計算を行ったり、自発的に思考して解答を導きだしたりする
いわゆる頭脳とは全くの別物です。
産業革命の時と同様に、AIで便利な世の中にはなりますが、
全く新しい技術はAIからは生まれません。
技術の進化は、想像力と創造力を持つ人間の仕事なんです。
そう考えると、「仕事が無くなる」ことは、そう怖いことではないと思います。
得体が知れないから怖くなり、恐怖のあまり思考停止に陥ることが、本当に怖いことです。
知らないことは別に恥ずかしくもなんともないのですが、
知ろうとしないことが、真に怖いことだと私は思います。
しっかりした知識を身に付けて、自分の頭で考える力が
これから求められてくるのではないかと思います。

という訳で、本記事の結論は

「AIに仕事を奪われる」のではなく、
「AIに仕事を任せることが出来てラッキー」がより正しい答えです。

最後まで御覧いただきありがとうございます。

追記:
感情のプログラムを入力された、より人間に近い人工頭脳が作られているとか。
この人工頭脳を進化させると、自分で判断して行動出来るロボットが出来るかもしれないそうです。
作っているのは何と日本の科学者。皆さんご存知のペッパー君に搭載されています。
ペッパー君凄ぇ。
世界では、AIの計算速度を競い合っていますが、日本はその先を研究していると。
日本凄ぇ。

…ん?人間に近い人工頭脳だと「スカイネット」が…
ないそうです(笑)。何故か?まあ、また別の機会に投稿出来ればと思っています。