塾長ブログ

『京都府公立高校中期選抜』~国語~

令和3年3月8日(月)に京都府公立高校中期選抜入試がありました。
個人的な見解で誠に恐縮ではございますが、分析したいと思います。
今回は国語です。大問構成も昨年度と同じ形式でした。
結論を先に申し上げますと、
前年度に比べて若干易しくなっていた印象です。
前期の難易度に合わせたかどうかは分かりませんが、
難易度の調整に苦労したであろうことは感じました。
今年度の入試問題作成担当者の方々、本当にお疲れ様です。

大問① 古文
京都府公立高校前期選抜の分析の時も申しましたが、
古文は京都府公立高校入試において、ど真ん中のストレートです。
今年度も出ましたし、来年度も当然出るでしょう。
来年度の受験生の方は、受験勉強のスケジュールに古文を必ず加えてください。
今年度は『古今著聞集』からの出題でした。
現代仮名遣い、主語の判別、会話形式、会話箇所、要点把握など、
古文の問題集を繰り返し解いている生徒にとっては
取り組みやすい問題構成でした。
今年度は、古文に特有の主語・助詞の省略に関する問題が出ていました。
これらは基本中の基本であるがゆえに、逆に勉強は後回しにされがちです。
しかし、こういった基本的な知識こそ最優先に押さえておきたいところ。
基本問題と応用問題の得点差がほぼ無い公立高校入試では、
基本問題こそ大切にしてください。

大問② 論理的文章
『対話』に関する問題でした。
熟語の構成、語彙力の問題、文法問題、会話形式、
そして、前期に比べて選択問題が多く出題されています。
前期選抜同様、過去問をしっかり解いてきた生徒にとっては
取り組みやすい構成だったかと思います。
ただ、やっぱり前期同様、簡単だといえば当然そんなことはなく、
特に文法問題などはなかなかに解き甲斐のある問題でした。
今年度の文法問題は連文節を単語に区切らせてから
品詞分類をさせるといったなかなかの難易度。
他教科にも言えることですが、
入試問題は範囲が広いのに問題数は限られています。
試験範囲を出来るだけ試験問題に反映させるとなると
問題数が膨大になるか
様々な単元を複合させた問題で問題数を少なくさせるか

のどちらかになります。
当然、問題数が限られている入試問題は後者にならざるを得ません。
そして、前者に比べ、後者は難易度が上がります。
今回の文法問題のように、複数の知識を組み合わせて解く問題は
知識を使いこなす力が求められますので、個人的には好きな問題です。
日頃から問題に取り組む時は、
何を答えるのか、答えるためにはどの知識を使うのか、
どの順番で考えていくと解答に辿り着くのか、
を考えて解いていって欲しいと思います。
また、『言語活動』からの出題もありました。
今年度は『意見文について』です。
言語活動の分野は、主観と客観をバランスよく捉えて答える問題が多いので、
自分の主張と他人からの意見とを上手く取り入れる工夫なり努力なりの方法を
学んでおきましょう。これらは実生活でも役に立つので、実際に使うつもりで
勉強するのも良いと思います。

2021年度も思考力や言語・会話能力を問われる問題が増えそうです。
最も基本で最も大切なことは、『主語』と『述語』の判別です。
『誰が』『何を伝えたいのか』を正確に理解するためです。
主語と述語って何?に答えられない生徒は、この機会にしっかり学んでくださいね。

最後まで御覧くださり誠にありがとうございます。