塾長ブログ

『読書感想文講座』~今年も御依頼くださり誠にありがとうございます~

先日の記述問題の記事を書いていて
書こうかな、どうしようかな、と迷いましたが
感謝の気持ちを込めて書くことにしました。

夏休みの話ではございますが、
今年は南部コミュニティーセンターと
寺田コミュニティセンターの二つの会場で
読書感想文講座の御依頼をいただきました。
本当に有難いことです。
二会場の受講者全員、真面目に取り組んでいただきました。
夏休みの宿題の一助になっておりましたら幸いに存じます。
今年の講座も色々作文の書き方をお伝えしましたが、
その中で

「面白くなかったら『面白くなかった』と書いても大丈夫」

ということもお伝えました。
そうしましたら、タイミング良くと言いますか
「強制☆5レビューは拷問だよ?」
という記事を目にしました。
「ぬこー様ちゃん」という方のTwitterの投稿に関する記事です。
「ぬこー様ちゃん」が小学生の頃、夏休みの宿題の読書感想文が苦手過ぎて

「つまらなかった」

と、書いたら書き直しを命じられたとのことです。
「ぬこー様ちゃん」は、当時、本を読むのも
読書感想文を書くのも大の苦手だったようです。
そんな状況ですので、当然、本を読んでも面白くない訳です。
頑張って感想文を書こうとしたんでしょう。
しかし、どう頑張っても「つまらなかった」以外の
感想が持てず、仕方なく原稿用紙にその言葉を書いたのでした。
昭和生まれの私には予想がつきましたが、案の定、提出すると再提出。
「ぬこー様ちゃん」は再々提出を回避するために
「面白かった」と嘘を書いて提出します。すると、

「ちょっとで良いから面白かった理由も書いて」

と、本人にとっては拷問に近い無理難題を課せられる始末。
更に、先生から
「真剣に読んだら本は面白いよ」

なんて正論を言われても、本嫌いの子にとってこの言葉は

「本の面白さも分からないダメな子」

と、言われているに等しいものです。
現在はどうか分かりませんが、当時の「ぬこー様ちゃん」は、
ますます本嫌いになったことでしょう。おいたわしや…。

ともあれ、本嫌いにならないためにも、感想文には
「面白くなかったと書いても良い」と思っていただきたい。
そもそも「感想」文ですから、どんな感想でも大丈夫なはず。
自分の感想に他人がダメ出しすること自体おかしいのです。

しかし!しかしですよ。大事なのは

「感想に対する理由」

です。

「感想なんだから何かいてもいいじゃん!」

と、楽をしたいがための屁理屈に使っていいものではありません。
面白くなかったら、正々堂々「面白くなかった理由」を書けばいいんです。
「ぬこー様ちゃん」も、どれだけ本を読むのか苦痛だったかを
事細かに書いてやれば良かったのにと思います。
例えば、

「内容が分かりづらかった。」
「何も伝わってこなかった。」
「そもそも本を読むのが苦手。」
「登場人物の性格が悪すぎて気分が悪くなった。」

などですね。そこから更に具体的に書ければ、なお良しです。

「難しい言葉や言い回し、登場人物のセリフが回りくどくて
読めば読むほど内容が難しくなっていった。」
「何故そんな行動をとったのか動機がはっきりと描かれていなかったので
何が大事なのかさっぱり理解出来なかった。」
「学校の教科書くらいの長さなら頑張って読めますが、
それ以上の長さになると集中力が続きませんでした。」
「主人公に対する言動や行動があまりにもひどすぎて、
読んでいて気持ちのいいものではありませんでした。
最後まで態度が変わらず、本当に残念でした。」

みたいな感じでしょうか。「自分は何でつまらないと思ったんだろう」
を突き詰めていくと、色々な理由が出てくると思います。
そして、最後に「気付き」と「学び」を導き出せれば完璧です。

「言葉の知識やセリフから感情を読み解くことが苦手だと分かりました。
それらを学んだ後、もう一度読んでみたら違った感想が出てくるかも知れません。
まず、難しい言葉の持つ意味から勉強していきたいと思いました。」
「私には文の行間を読む力が足りていないと思いました。
他人との関わりを通じて感性を磨き、本には直接書かれていない
作者の気持ちに気付けるようになりたいと思います。」
「私には、本を読む忍耐力が足りないと感じました。
同じ本を読んだ友人は、この本が面白かったと言っています。
少しずつでも本を読む努力を続けて、
長い物語を読めるようになった時に再読してみたいです。
その時は、また違った内容で友人と話せると良いなと思いました。」
「登場人物の言動や行動は絶対に真似をしてはいけないことだと思いました。
このことを反面教師として、日々の生活で同じことをしていなかったか
反省するとともに、自分の行動を改めていこうと思います。」

などと、感想文を締めくくってみてはいかがでしょう。
読書は、面白くても面白くなくても、「気付き」と「学び」があれば
それでオッケーだと私は思っています。
来年も御依頼をいただけましたら、今年の講座をブラッシュアップして
来年もまた「自分が思ったことを素直に書いてみよう」と
お伝えしていきたいです。

最後まで御覧くださり誠にありがとうございます。